お姫様に花束を
国王様の謝罪の言葉にカノンは大きく目を見開いた。
「……私は……お前がこの町に来ることを止めようと必死だった。
……もしカノンに何か危害が加えられたら……考えただけでゾッとする。
……だから……何とか止めようと……お前の一番傷つくことを言ってしまった。
……本当にすまなかった」
「お父様……」
……やっぱり国王様はカノンのことを大切に思っていた。
……だけど、ロイ様を失い……カノンだけはもう失いたくないという気持ちが、お互いをすれ違いさせていた。
お互いに素直になればもっと早く分かり合えることができただろうに……。
「……リオンが……リオンが助けてくれたのよ。
私のこと……もう三度も助けてくれたの」
「リオン君が……。
……そうか」
国王様は俺の方を見る。
その凛とした瞳に俺は萎縮しそうになるがそれでも俺はまっすぐ国王様の目を見た。
「……国王様。
私は……」
俺が口を開きかけると、国王様はそれを手で制した。
「何も言わんでよい。
……君を初めて見た時から何となくこうなる予感はしていた」
「お父様……」
「……カノン。
もうお前の好きにしなさい」
「え……?」
カノンが目を少し大きく開いた。