お姫様に花束を
「……ほら、着いたよ」
「着いたって……ここ……」
私は目の前の光景に驚きを隠せなかった。
だって、ここは……
目の前いっぱいに広がる鮮やかなブルー
城のビニールハウスのものよりも元気いっぱいな花……
こんなの……
「初めて見た……」
こんな素晴らしい花畑……
生まれて初めて……。
「どう?」
リオンが少し得意気に私に聞く。
「どうって……これ……」
「コアブリー。
カノン、見たがってただろ?」
「リオン……」
私は嬉しくなって思わずリオンの腕に抱きついた。
リオンはそんな私の頭を優しく撫でた。