お姫様に花束を
「っ……私と一緒にいたら普通にいられないよ?」
「……分かってる」
「これから……いろいろと大変かもしれないよ?」
「……あぁ」
「もしかしたらリオンが傷つくかも……」
「……分かってるよ」
涙声で次から次へと尋ねる私の背を優しく撫でながら、リオンはただ肯定の言葉しか発さない。
「私………」
「……それでも」
リオンが優しい眼差しで私を見つめる。
「それでも……カノンしかいないんだよ。
俺は……カノンじゃなきゃダメなんだ」
嘘偽りのない……まっすぐな目。
真剣な表情……。
「っ……リオン!」
涙でぐちゃぐちゃの顔でもう一度リオンに抱き着く。
「……それで?
返事は……」
「……私でよければ」
私だって……リオンじゃなきゃダメだよ。
もう……他の誰もこんなに好きになれない。
きっと……これが最初で最後の恋――