お姫様に花束を
王家
カノンside
公務を終え、私は城に向かう車の中で憂鬱な気持ちで移り変わる景色を眺めていた。
チラッと時計を見れば、予定よりも大分時間が過ぎていた。
「もう夕食会が始まってる時間……」
「えぇ。
カノン様が遅れて出席なさることはあらかじめ連絡しております」
「……そう」
また……理不尽なことを言われる。
きっと……いや、絶対。
それを思うと、ますます憂鬱になる。
「ウェルス、もう少しスピード落としても……」
「そんなに出席したくないのですか」
「…………………」
……分かってるくせに。
そう気持ちをこめて運転席にいるウェルスを見れば、ウェルスは小さく笑っていた。
「……楽しんでない?」
「そんなことはございません」
「顔……ニヤけてるけど」
「……そんなことはございません」
まぁ……いいけど。
いつものことだし。
公務を終え、私は城に向かう車の中で憂鬱な気持ちで移り変わる景色を眺めていた。
チラッと時計を見れば、予定よりも大分時間が過ぎていた。
「もう夕食会が始まってる時間……」
「えぇ。
カノン様が遅れて出席なさることはあらかじめ連絡しております」
「……そう」
また……理不尽なことを言われる。
きっと……いや、絶対。
それを思うと、ますます憂鬱になる。
「ウェルス、もう少しスピード落としても……」
「そんなに出席したくないのですか」
「…………………」
……分かってるくせに。
そう気持ちをこめて運転席にいるウェルスを見れば、ウェルスは小さく笑っていた。
「……楽しんでない?」
「そんなことはございません」
「顔……ニヤけてるけど」
「……そんなことはございません」
まぁ……いいけど。
いつものことだし。