お姫様に花束を
建物のドアの前まで行くと、『open』と札がかかっていた。
まだやってるんだ……。
少しここで休ませてもらおう……。
そして、ここがどこなのか聞こう……。
そう思い、私はドアノブに手をかけてゆっくりとドアを開けた。
カランカラン、と音が鳴る。
中に入ると、落ち着いた雰囲気で……静かに音楽が流れていた。
ここは……何のお店だろう……。
私は恐る恐る足を進めていく。
「いらっしゃいませ」
突然声が聞こえ、私の体はビクッと反応する。
ビックリした……。
そう思いながら声のした方を見ると……
「あ…………」
私は思わず目を大きく見開いた。
同時に向こうも驚愕した表情で私を見た。
「え……は……?
カノン……?」
「……リオン!」