お姫様に花束を

あれは……シェイカー?


リオンは手際よく作業をしていく。


そして、シェイカーを閉じると見事な手つきで振り始めた。


流れるような手つき……。


……私は思わずその姿に見とれていた。


……カッコいい。

……素直にそう思った。


……胸が高鳴った。


何だろう……。

この……初めての気持ち。

何か……変な感じ……。


私がボーッと見ていると、リオンはシェイカーの中身をグラスへと注いだ。


グラスへと注がれる……綺麗な桃色。


照明が当たってるせいなのか、何でなのかは分からないけど……すごくキラキラして見えた……。


「どうぞ」


リオンが優しく微笑みながら私の前へと桃色のカクテルを置く。


……私はゆっくりとグラスを持ちあげた。


綺麗……。


グラスに口をつけ……桃色のカクテルを口に流し込む。


一口飲んで……私はもう一度グラスに入ったカクテルを眺めた。

< 40 / 271 >

この作品をシェア

pagetop