お姫様に花束を
……翌朝、目を覚ますと……俺はふかふかのベッドの上にいた。
周りを見渡せば、豪華絢爛な部屋。
……そうか。
俺……昨日、コアブル城に来たんだっけ。
未だに信じられない……。
あのままあそこにいると何があるか分からないから、とウェルスさんに言われてそのまま……。
「失礼します」
その声と同時にドアが開き、ウェルスさんが入ってきた。
「おはようございます、リオン様。
お加減はいかがですか?」
「おはようございます……。
いかがですかって言われても……何か、現状が信じられなくて……」
「そうですよね……。
ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません」
「あ、いえ!
ウェルスさんが悪いわけじゃ……」
頭を下げるウェルスさんを慌てて止めた。
「リオン様はお優しいですね」
「いや、そんな……。
そういえば、ここに何しに……」
「私としたことが……忘れておりました。
リオン様、朝食のご用意ができました。
ダイニングへお越しください」