お姫様に花束を
カノンside
「………はぁ」
執務室でため息をつき、イスの背もたれに体重を預ける。
「ねぇ……ウェルス」
「はい。何でございましょう」
「……親子ってあんなものなのかしら」
「……と、仰いますと?」
「……今思ったんだけど。
……私は国王様とも王妃様とも親子らしいことは何もした記憶がなくて」
「カノン様……」
昔からそんな記憶はこれっぽっちもない。
もちろん二人共忙しい人だということは分かってはいるけど……
……昔から私はお兄様と二人、放置されていた記憶しかない。
面倒を見てくれたのはウェルスを始めとしたこの城の使用人達。
……両親と過ごしたのは公務の一貫であるパーティーとか、そんなもの。
普段の生活で親子として過ごした時間なんて……ほぼ無いに等しい。
「………はぁ」
執務室でため息をつき、イスの背もたれに体重を預ける。
「ねぇ……ウェルス」
「はい。何でございましょう」
「……親子ってあんなものなのかしら」
「……と、仰いますと?」
「……今思ったんだけど。
……私は国王様とも王妃様とも親子らしいことは何もした記憶がなくて」
「カノン様……」
昔からそんな記憶はこれっぽっちもない。
もちろん二人共忙しい人だということは分かってはいるけど……
……昔から私はお兄様と二人、放置されていた記憶しかない。
面倒を見てくれたのはウェルスを始めとしたこの城の使用人達。
……両親と過ごしたのは公務の一貫であるパーティーとか、そんなもの。
普段の生活で親子として過ごした時間なんて……ほぼ無いに等しい。