お姫様に花束を
王子様
リオンside


城に来て一週間程経った。

最初ほど過熱ではなくなったが、まだカノンと俺を狙ってパパラッチが動いてるらしい。


「もう少ししたら落ち着くと思うから。
心配しないで」


カノンはそう言いながらトランプを必死に立てる。


「そろそろこのネタにも飽きると思うし。
大丈夫大丈夫」


三角に立てたトランプの上に更にトランプを乗せるカノン。


「……あのさ、何やってんの?」

「え?トランプタワーだけど?」

「いや……自分の部屋でやれよ」

「だって一人じゃつまらないし」


そう言いながら真剣にトランプタワーを立てていくカノン。


「そういえば、リオン。
アルバイトの方は大丈夫なの?
ずっと休んでるけど……」

「あぁ、それは店長に事情を話してしばらく休みにしてもらったから平気」

「そっか……。
……店長さんにも迷惑掛けたよね。
落ち着いたら謝りに行かなきゃ」


少し落ち込んだ表情でそう言うカノン。


「大丈夫だよ。
この前電話したら、店が繁盛してるって喜んでたし」


ハイテンションでそう言ってたから多分大丈夫。


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