お姫様に花束を
俺とカノンは目を丸くして部屋の入り口を見た。
すると、見知らぬ男は楽しそうに部屋に入ってきた。
「いやー、公務でコアブルに来たからさ、久々に顔見に行こうかなーって思ってさ。
そんで執務室にもカノンの部屋にも行ったのにいないから、ウェルスに聞いたら客室にいるって言われてさー」
な……何なんだ、この人は……。
入っていきなりマシンガントークが炸裂している……。
「エリック……」
カノンが見知らぬ男を見ながらため息をついた。
「エリック?」
「あ、リオン知らない?
この人、こう見えて王子様なの」
「…………え?」
……この人が?
「ちょっとちょっと!
何その反応!
俺、そんなに王子に見えない?」
「お隣のラミリアン王国のエリック王子よ」
「ラミリアンの?」
「え、無視?
無視ですか、お二人さーん」
「エリック、うるさい」
「カノンちゃん……ひどい……」