お姫様に花束を
俺がウェルスさんと話していると、ガチャリと音がして執務室の扉が開いた。
すると、中から疲れた様子のカノンが出てきた。
「ウェルス……何か冷たい物を……。
何か……冷たい……物を……」
「か、かしこまりました!
リオン様、カノン様をすぐにお部屋へ!」
「は、はい!」
俺はぐったりした様子のカノンを腕で支えた。
カノンは力が抜けたように俺にもたれ掛かる。
「カノン!?」
「リオン……。
眠い……眠すぎる……」
「……え?」
「もうダメ……。
………おやすみ……」
「えぇっ……マジかよ……」
カノンはそのまま俺に体重を預け、ゆっくりと瞼を閉じた。