お姫様に花束を

そう思うと、何だか急に恥ずかしくなってきて……

……私は少しリオンから目をそらした。


「カノン?」

「あ、あの……リオン……」

「ん?」

「その………。
……私……お、重くなかった……?」


恐る恐るそう聞くと……リオンは一瞬きょとんとした顔をした。


「いや……全然。
むしろ軽すぎだと思ったぐらいだし……」


そう言いながらリオンは私のベッド端に腰掛けた。


「ウェルスさんが言ってた。
最近、あんまり食べてないんだって?」

「あ………うん……」

「忙しいのは分かるけどさ、ちゃんと食べなきゃダメだって。
今日はただの寝不足だったみたいだけど、今度またいつ倒れるか分かんないぞ」


リオンは真剣な顔でまっすぐ私の顔を見ながら言ってくれた。


……こんな風に私のことを考えて真剣に注意してくれる人って……

ウェルスとお兄様以外には……今までいなかった。
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