お姫様に花束を
リオンは……やっぱり他の人とは違う。
リオンは……
「それに……」
私がリオンの顔を見れば、リオンは少し顔を赤くして私から目をそらしながら口を開いた。
「……カノンが倒れたら……俺だって心配するし……」
リオン………。
トクン……トクン……と胸の鼓動が少しずつ速まっていく。
……リオンといると、何だかよく分からない気持ちになる。
今まで感じたことのない気持ち……。
……分かってる。
この気持ちが何なのか……
分かってる……けど……
「カノン?」
「あ……ううん。
何でもない……」
私がそう言うと、リオンは優しく笑って私の頭をポンポンと撫でた。
「っ……………」
胸が高鳴る……。
顔が少し熱くなる……。
リオンの優しい表情に……胸がきゅんとする。
「あんまり無理するなよ」
そう言って、リオンは私から離れて立ち上がる。
そして、そのままドアの方に向かって歩いていく……。
え…………
「もう……行っちゃうの……?」
思わず思ったことが声に出てしまった。
出してからとんでもないことを言ったと気付き、焦ったけど……もう遅かった。
リオンは驚いた顔をして振り返った。
「………え?」