お姫様に花束を

「あ……えっと、その……」


ど、どうしよう……。

でも……一度声に出してしまった以上……もう……


「もう少し……そばにいてほしいなって……」


そう言いながら顔が火照ったように熱くなる。

恥ずかしい……。

けど……


「……ダメ?」


そばにいてほしいのは……私の素直な気持ち……。


「っ…………!」


リオンが顔を赤くしながら私の方を見る。

そして……


「その顔……反則なんですけど……」


小さな声でボソリと呟き……

リオンは私の方へと足を進め……


「っ……!!」


……そのまま私を優しく抱きしめた。

< 85 / 271 >

この作品をシェア

pagetop