お姫様に花束を
休憩しようと執務室から出る。
自室に行こうか……。
チラッとそんなことを思ったけど、私の足は全然違う方へと進んでいく。
く
「リオンー、いる?」
ノックをしてドアを開ければ、リオンはソファーに座ってテレビを見ていた。
テレビではナツメ町のデモの様子が放送されていた。
「あぁ、カノン」
「それ……」
「……最近酷くなってきたみたいだな。
ここにレジャー施設作るんだろ?」
「うん……」
ナツメ町の町民のデモ。
それは収まる気配が全くない。
国王様は何とか鎮圧しようとしてるみたいだけど……。
「実を言うと、このプロジェクト……。
初めは国王様が指揮をとる予定だったの。
私は国王様から途中で引き継いだ形だから……まだここに下見とか行ったことないの」
「え、そうなのか?」
「行きたいとは思ってるんだけど……。
ほら、日に日にデモが激しくなっていくでしょ?
だから私が行ったら危ないって……」
なかなか思う通りにはいかない。
私の行動は制限されてしまう。