この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
 


まだ冬の彩りが濃いお庭の、さらに奥にある縁側に、利勝さまはおひとりで膝を抱えて座っていた。


利勝さまのお姿を見つけて、私はホッと胸を撫で下ろす。



(よかった。お見かけした限り、どこにもおケガはされてない)



けれどなぜか小さく丸まり、いつにもまして怖いお顔をされている利勝さまに、どう声をかけていいものか迷ってしまう。



その場で動けずもじもじしながら、うつむき思案していると。



「――――誰だっ!? そこにいるのは!?」



人影に気づいたのか、利勝さまは身を乗り出すようにして、小さいけれど鋭い声を放つ。


声に驚いて顔をあげた私と視線が重なると、利勝さまは途端に驚いたお顔をなさった。



「……お前ってやつは……!いつもいつも、突然に現れるんだな!」



呆れたような声をあげられて、私はなんだか盗人のように断りもなく他人のお宅に入り込んでいる自分が、とてもはしたなく思えて顔中が熱くなった。


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