この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
………『鳥羽・伏見の戦い』で、我が会津藩を含む幕府軍は大敗を喫しました。
けれどそれは、敵方が錦旗を掲げたため、攻撃できず敗退したのだと私達は思っていました。
しかも、会津から遠く離れた上方で起こった戦だったからか、私はこの戦をどこか他人事のように受け止めていました。
―――今 初めて、現実を突きつけられた気がしたのです。
あの戦で、こんな苛酷な代償を払うことになるなんて。
こんな身近に、戦の傷痕を感じるなんて。
あまりに衝撃を受けて、利勝さまにかける言葉が出てこない。
ただ以前お会いした、弟妹にとても優しくて、さわやかに笑う雄介さまのお顔が思い出されて、ぽろぽろと私の目から涙がこぼれ落ちた。
あの 雄介さまが、亡くなられたなんて。
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