この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
 


兄さまのお顔や首筋からは、たくさんの汗が吹き出ていて、足下を見れば、草履を履いた紺色の足袋は土まみれで白くなっている。



走りまわって、私を探して下さったのですね……?



「ご心配をおかけして申し訳ございません。兄さま……」


「もういいから 早く中に入れ。心配をかけたのだから、父上とお継母上にちゃんとお詫びするのだぞ」



懐から 手拭いを出して、お顔と首筋の汗を拭いながら、兄さまは先に家の者が出入りする裏口へと向かう。



「はい……」



私は今更ながら、自分の軽率な行動を後悔した。


お父上さまにも 母さまにも、そして 兄さまにも。
たくさんたくさん、心配をかけてしまった。



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