この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
――――ドキン!!!
「……はっ、話ですか……っ?」
かなり動揺してしまう私に、利勝さまは顎で庭のほうを指し示すと、そちらへ行くよう促す。
そうしてご自分から先に歩いて行かれたので、私はあわててその後を追った。
(………何だろう。話って)
期待と不安が入り混じって、手が震えてきちゃう。
利勝さまは門から少し離れた庭先で止まると、木刀と防具を下ろして、私を振り返った。
また ドキン!とする。
「――…」
一度、私の目を捉えた利勝さまの瞳が、戸惑い揺れる。
なにか言いづらい表情の利勝さまを見つめ、ドキドキしながら言葉を待った。
「………やそが」
「えっ?」
「八十の奴が、お前のことで気に病んでる。
俺達が出陣する日を怖れて、お前がいつも不安な顔をしていると」
私から目をそらしたまま、利勝さまはそうおっしゃった。
兄さまが そんなことを………?
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