この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
 


新撰組の後には、藩兵の方がたが続き、その後に 若殿喜徳さまが そのお姿を現しました。



若殿さまの登場に、見送りに出たまわりの民たちは深々と頭を下げます。



私もまわりにならい、深々とお辞儀をいたしました。



白馬に跨がる喜徳さまは、まだ(よわい)十四と幼いながらも、やはり洋装の軍服姿で、両肩には金の大きな肩章、胸には肋骨のような金の飾り紐がついており、小さなお身体ながらも、威風堂々たる馬上姿でありました。





そして 最後尾には、利勝さま、兄さまを含む白虎士中二番隊の方がたが続いてきます。



私は今度こそとおふたりのお姿を探しましたが、兄さまは私達のいる側とは反対の列を歩いていたため、残念ながら気づかずに通過してしまいました。





(……残念。兄さま……行ってしまわれた)





その後に続き、井深さまや俊彦さまも、その凛々しいお姿を見せて、胸を張って私達の前を通過してゆきます。



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