この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「……利勝さま。何もしてやれないなんて嘘ですよ。
だって私はもう、利勝さまからたくさんいただいております。
ほら 今だって。想い続けてもいいと許してくださりました」
利勝さまを見つめて微笑む。
喜びでまた目が潤んでしまい、泣き笑いになった。
以前の拒まれた時とは違う―――嬉し涙。
あの時はこんな日がくるなんて、思いもよらなかったから。
――――ねえ?利勝さま。
私は本当に、利勝さまからたくさんの宝物をいただいたから。
きっとこれ以上望んだら、バチが当たってしまうでしょうね?
利勝さまは目を伏せると、半ば呆れたようにまた ため息をついた。
「……人の想いなど、他人がどうこうできるもんじゃないしな。
それにお前は、どうせやめろと言っても聞かないじゃないか」
「はい!その通りです!利勝さま、大好きです!!」
嬉しさに便乗してつい想いを告げると、
「な……っ!!」と、利勝さまは目を剥いて声を詰まらせた。
「〜〜っ、この馬鹿ッ!! 調子にのりすぎだっ!!」
お顔を真っ赤にして、おもいっきり怒鳴られた。
「だってうれしいんです!私は本当に幸せ者です!!」
たとえ同じ想いを返してくれなくても。
この想いを受け入れてもらえただけで。
怒鳴られても構わずにこにこと笑う私に、
「……っ!!」と 利勝さまは、耳まで真っ赤になって絶句する。
その照れたような困ったようなお顔が、とてもとても愛おしく思えて。
心がとてもあたたかく、今までにない幸せに満ち満ちていた。
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