この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「きゃっ!」
「わっ!」
つんのめった拍子に、利勝さまの背中に顔を突っ込んでしまう。
いきなり背中をどつかれた利勝さまも、思わず声をあげて驚いた。
「〜〜〜っ!!」
振り向いて睨む利勝さま。
その目が、「まったく お前は!!」と 怒っていた。
「もっ、申し訳ありません!!」
あわてて詫びると利勝さまはため息をつき、眉根を寄せながらも無言で手を差し出す。
(……えっ?)
思わず利勝さまを見上げた。
利勝さまは少し照れた表情を滲ませながら、差し出した手で私をクイと招く。
「ほら 来い」 と。
――――手を つないでも。
「よ……よろしいのですか?」
利勝さまは無言で頷いた。
ドキン ドキン ドキン。
高鳴る鼓動を抑えて。
差し出されたその手に、そっと自分の手を重ねる。
私の手はギュッと握られて、すっぽり利勝さまの手に包まれた。
利勝さまはそのまま、また前を向いて歩き始める。
………固く あたたかい手。
私の一番 望んでいる手。
(……ああ そうだ)
利勝さまの手は、以前もこんなふうに、私の手を包んでくれましたね………。
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