この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
山の中を間道づたいにひたすら歩き、俺達はいつのまにか
滝沢峠の街道近くの不動滝まで来ていたようだった。
ここまで来たら、街道を下りて行けば城までもうすぐだ。
「みんな!もう少しだ!頑張ろう!!」
篠田どのは絶えず皆を励まし続ける。
そして一同は街道のほうへ近寄っていった。
空腹と疲労の極限状態のせいか、感傷的になっていた俺は、頭が働かなくなっていたのだろうか。
「敵がいるかもしれん。誰か斥候に向かわせよう」
「俺が行く!」
声とともにすばやく雑木林の中へ駆けてゆく草色を、俺はただ、目で追うことしかできなかった。
だが 一拍遅れてすぐに、離れてゆく雄治に気づいて、引き止めようと声をかける。
「おい待て!雄治……」
刹那。
―――ダァン!ダ、ダ――ン!!
突然 銃声が辺りに響き、雄治の身体が弾かれたように倒れ、その背中が消えた。
全身に 戦慄が走る。
「――――雄治いぃっ!!!」
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