この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
――――その言葉は、私の心臓を握り潰すほどの威力があった。
圧迫された心臓が必死にもがくように、ドクンドクンと強く脈打つ。
衝撃を受けてヨロヨロと後ずさり、そばに立て掛けてあった鍬に足を取られて尻もちをついた。
「ゆきさま!」
駆け寄り、立ち上がらせてくれるまつの顔も蒼白だ。
「俺が行って見てくる。すまんが、そこまで案内してくれるかい?」
村人を促し、弁天山に向かおうとする弥平太さんに、私はあわてて声をかけた。
「ま……待って下さい!私も一緒に、連れていって下さい!!」
「ゆきさま!? そんな……」
「おやめください」と、驚いて止めようとするまつを目だけで制し、もう一度 弥平太さんにお願いする。
「足手まといなのは、よくわかっています!けれどもお願いです!どうか私も連れていって下さい……!!」
弥平太さんは戸惑う表情を浮かべて、私とまつを交互に見た。
私もまつを窺う。
「まつ、お願い……!兄さまと利勝さまがおられるのか、どうしても確かめたいの」
まつは複雑な表情をしていたけれど、ため息をひとつ落として私を見た。
「……わかりました。ただし、私も一緒について行きますよ」
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