この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
 


そう思うと、なんだか泣けてきた。

私の中では、終わっていないのに。

利勝さまの中では、すでに私を助けてくれたことさえ忘れてしまっているんだ。



もう 会うこともない。



『利勝』という名前以外、何も知らないもの。

住んでいるところすら知らない。



兄さまにもああ言われると、今さら「家に招いて下さい」とも言いづらい。



………会いたい。



たとえ利勝さまや兄さまの中では、もう過ぎてしまったことだとしても。



私は………もう一度。利勝さまに 会いたい。



 
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