この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「どうしたの?」
その声に、私は俯いていた顔をあげる。
「どうしたの?誰かとはぐれたの?それとも足が痛いの?」
泣いている私に声をかけてくれたのは、私より年上の女の子だった。
でもまつくらいか、それよりも年下に見える。
きれいな桜色の着物を着た、スラリと背の高い女の子。
目はまんまるで、好奇心旺盛な瞳を隠すことなく私に向けてくる。
(……あれ?誰だろう?知らない女の子なのに、誰かに似てる……?)
「足から血が出ているわ。手当てしないとダメよ。
どこかで座れるところを探さないと」
言うが早いか、あたりをキョロキョロと見回して、どこかの店から腰掛けを借りてきてくれた。
「はい!ここに座って!足見せて!」
あまりの手際の早さに、半ば圧倒されつつ、私は示された椅子に腰掛ける。
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