この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
………ああ、だいぶ陽が西に傾いた。
私、何してるんだろう。
利勝さまに会いたくて、利勝さまを探しにきたのに。
会えるどころか、また他人さまにご迷惑をおかけしてしまうなんて……。
きっと、もうすぐ兄さまも帰ってくる。
兄さまのことだもの。
私が屋敷にいないと分かれば、利勝さまに会いに行ったのだとすぐ察するだろう。
今日はあきらめて、もう帰ろうか……?
だって、利勝さまを探すどころじゃないもの。
―――荷車に乗せてもらい、くら子さまのお宅まで連れてこられた。
くら子さまのお宅は土塀で囲まれていて、林家より大きい。
私は玄関脇から裏手へと回され、小さいけれども手入れの行き届いた庭に面した縁側で、傷だらけの左足を手当てしてもらった。
清潔な晒しで巻かれた左足を見つめて、小さくため息をつく。
「お茶がはいりましたよ。ひと息いれましょう」
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