この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「お前って奴は……っ!! いったい何度、家族を不安にさせれば気が済むんだ!?
お継母上だって!俺が帰ったとき、未だ戻らぬお前を心配していたんだぞ!? 」
「も、申し訳ありません!! 」
「謝って、それで済むのは一度だけだ!! 」
兄さまのものすごい剣幕に、一度家の中に戻ったくら子さまさき子さままで、何事が起きたのかと様子を見に顔を出してくる。
私と兄さまに挟まれてしまった利勝さまが、小さくため息をつくのが見えた。
「八十。こいつ、左足をケガしたんだと」
「なんだって!?」
さらに憤る兄さまに、私はビクッと怯えた。
「……っ!! 」
目を細める私を見て、まだ何か言いたそうな兄さまの口が、くやしそうに閉じられる。
.