青空バスケ―2nd―

「ずいぶんと気合い入ってるみたいだな、アイツ」

「蓮ちゃん」

「目が変わった。
……去年とはまた違うな」

「去年、蓮ちゃん睨まれたんでしょ?」

「そういやそうだったな。
中山の名前を出した途端に睨まれたわ」


あの頃は仲悪かったもんね~……。

でも、仲直りできて本当によかった。


「一年経つだけでこんなにも変わるんだね」

「俺らも成長してるってことだろ。
……もう引退だしな」

「……そうだね」


……夏の大会が終わればあたし達は引退。

受験勉強に勤しむことになる。


そっか……。


これが最後の挑戦なんだ……。


あたしは部員達の前で予選についていろいろ語ってる大和を見た。


……あの約束からもう八年だね。


ハル君の試合を観に行って……一緒にインハイに行こうと言ったあの日。


きっと一生忘れはしないだろう、あたしがバスケを好きになった日。


「……頑張ってね」


隣にいた蓮ちゃんにも聞こえない程小さな声でそう呟いた。

……なのに、少し離れたところにいる大和が微かに微笑んだ気がした。




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