青空バスケ―2nd―
……ふと、向こう側にいる海里が目に入った。
海里はこちらを見るでもなく、チームメートの方を見るでもなく……ある方向をじっと見つめていた。
俺がその方向に視線を移すと……海里が何を見てるのか、はっきり分かった。
無駄に視力の良い俺には見えた。
観客席に座ってる……七海さんの姿が。
「アイツ………」
海里は言ってた。
バスケを通して成長した姿を姉ちゃんに見せたい……って。
……なるほどね。
「大和?どうしたの?」
「あぁ、いや……何でもない」
栞奈が不思議そうに首を傾げる。
栞奈には悪いけど……せめて試合が終わるまでは……
……黙っていよう。