青空バスケ―2nd―
攻め対攻め
……体力が最後まで持つか心配だけど、守りが通用しない今はこれしか方法がない。
「先輩!」
ボールをもらう。
……このままゴールまで突っ走って……
……だけど、すぐに海里が反応した。
俺の前に回りこんで、動きを止める。
さっきも思ったけど……コイツの動きは速い。
そして……
「っ……………」
……抜けない。
何だよコイツ……。
オフェンスだけじゃなくて、ディフェンスまですげぇっていうのかよ……。
……ここでパスをしても、おそらく誰かに取られる。
……もういい。
このままシュートしてやる。
届かない距離ではない。
……俺は頭上へ……高くボールを放った。
……だが。
「……させないっすよ」
海里がジャンプし、指の先でボールに触れた。
軌道を変えられたボールは……リングに掠ることもなく、下に落ちた。