青空バスケ―2nd―

第3クォーターが終わり、みんながこっちに戻ってくる。

ほんの数分の休憩。


何か声をかけなきゃ……。


でも、さっきの監督の話を聞いて……意識をすると、何も言葉が出てこない。


んーと……えっと……


どうしよう……何て言ったらいいんだろう……。


今まで、あたし何て言ってきたっけ……。


ダメだ……何も思い出せない。


早くしないと休憩が終わっちゃうのに……!


「栞奈」

「へ!?
あ……や、大和……」


突然話しかけられ、ビックリするあたし。

そんなあたしを大和は不思議そうに見た。


「どうした?」

「え……あ、あのね、大和……」


何か……何か言って、あたし!

……だけど、なぜかなかなか言葉が出てこない。


ダメだ……もう休憩が終わる。


そう思った……その時だった。


フワリとあたしの頭に何かがかぶせられた。

慌てて確認すると……それはさっきまで大和の首にかかってたタオルで。

あたしはビックリして大和の顔を見た。


「大丈夫だから。
……安心して見てろ」


そう言って優しく微笑むと……ポン、ポンとあたしの頭を撫でて大和はコートへと戻っていった。


……あたしの胸は一生止まりそうにないぐらい……ドキドキしていた。

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