青空バスケ―2nd―

シュッ……という音と共に、試合終了のブザーが鳴り響く。


……終わった。

やっと……終わった。


「……大和」


蓮を始め、一緒に戦ってきた仲間達が俺の周りに集まる。


「……勝った」


俺が小さな掠れた声でそう言うと、そばにいた蓮が大きく頷いた。


「勝った………俺達、勝った!!」

「っしゃあ!!」


歓喜の声をあげるみんな。


三年間決勝戦止まりだった俺達が……やっと次のステップへ進むことができたんだ。


「あ…………」


俺の周りが喜びに満ち溢れている中……俺は少し離れたところに、うつ向いて動かない茶髪を見つけた。


「………………」


アイツ………。


……俺は黙ったままあの茶髪に近寄っていった。

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