青空バスケ―2nd―
ベンチの方に戻ると、栞奈がにっこり微笑みながら待っていた。
栞奈の目にはうっすら涙が。
「まだ泣くのは早いって」
「だって………」
……俺達はまだブロックを勝ち抜いただけ。
これから、決勝リーグがある。
勝ち抜いてきた四校の内……そこから勝ち進めるのは三校。
まだ……戦いが残ってる。
「っ……もうダメ……泣きそう……」
ったく……しょうがないな。
泣きそう……っていうか、確実にもう泣いてる栞奈の頭を優しく撫でてやる。
「っ……大和!」
突然俺に抱きつく栞奈。
涙が溢れて止まらない栞奈の頭を……そっと俺の胸に寄せた。
……いいよ、ここでずっと泣いてて。
勝ったことはもちろん俺達も嬉しいけど……栞奈だって……ずっと俺達を応援して、勝利を願ってきた栞奈にとってもすごく嬉しいこと。
こんなとこで堂々と抱き合ってたら、いつもは囃し立ててくるだろう部員達も……この時だけは涙を流す栞奈を、優しく微笑みながら見つめていた。