青空バスケ―2nd―
「栞奈?
いんだろ?入るぞ」
「えっ……あ、ちょっと待って!」
「はぁ?
何?着替えてんの?」
「そうじゃないけどっ……」
「ならいいだろ。
入るぞ」
「あっ……ちょっ、待っ……」
ガチャリ、と音がしてドアが開く。
えぇ!
えっ……どうしよう。
「栞奈?」
大和が不思議そうな顔をしながらあたしを見る。
「あ、えっと……」
「その顔……」
大和はゆっくりあたしに近づき、そっと親指であたしの瞼に触れた。
「……腫れたの」
「あぁ、昨日のか。
すげぇ泣いてたもんな」
「だって……」
「本当……チワワみたいだよな。
お前って」
「チワワって……」
「褒め言葉。
……可愛いってこと」
「っ…………!!」
あたしは赤くなった顔と腫れた目を隠すように下を向いた。