青空バスケ―2nd―

……去年。

あと一歩のところで俺達はアズイチに敗れた。


だから……今年は負けるわけにはいかない。


絶対に。


「大和」


名前を呼ばれた方を見れば、栞奈が不思議そうな顔で俺を見上げていた。


……そうだった。

今は栞奈と二人で帰ってる途中だったんだ……。


「……ごめん」

「別に謝らなくてもいいけど……。
何か悩み事?」

「悩みっつーか……。
……考え事、的な」


ふーん……と言うと、栞奈は小さく笑いながら俺の方を見た。


「もしかして……アキ君のことだったり?」


栞奈の言葉に、俺は思わず目を見開いた。

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