青空バスケ―2nd―
「もし……さ。
本当にもしもの話な」
「うん」
「もしも……俺達が秀華にも赤羽にも勝って、勝ち抜け確実になったとしても……東第一に負けたら、俺は素直に喜べないと思う」
……それぐらい、負けたくない。
ずっと夢だったインハイ出場よりも……暁弥に負けたくない気持ちの方が強い。
おかしいとは思ってるよ。
だけど……これだけは譲れないんだ。
「……いいんじゃない?
それでも」
栞奈はまっすぐ俺の目を見ながら……柔らかに微笑んだ。
「え………」
「大和が喜べないんだったら喜ばなくていいよ。
みんなが喜んでても……悔しかったら悔しがっていいよ。
だって……それが大和の本当の気持ちでしょ?」
俺の……本当の気持ち……。