青空バスケ―2nd―
コートの方では、大和と花井君が1on1を始めた。
もう部活終わりだっていうのに……。
しかも明日は試合だし……。
「何か……今まで当たり前のようにこうやってアイツらを見てきたけどさ。
……あれが見られなくなる日がもうすぐ来るんだよな」
「……そうだね。
この大会が終わったら引退だもんね」
引退したら……受験勉強。
ここに来て、みんなのバスケ姿を見ることもなくなる。
「去年とかさ……鳴瀬先輩が苦労してたよな。
アイツらがずっとやってるから、鍵閉められないって」
「それでも、何だかんだ言って見守ってたよね。
……他の先輩達も」
「あの頃は先輩達がいなくなるのなんて考えられなかったけど、それが今となっては当たり前だからな」
「……いつか、あたし達も過去の人になる時が来るんだよね」
引退して……卒業して。
ここからいなくなったら、もう過去の人になってしまう。
今の一年生達が卒業してしまえば、青桜高校のバスケ部にあたし達がいたことを知ってる人は誰もいなくなってしまう。
それは仕方のないことだけど……やっぱり何だか寂しい。