青空バスケ―2nd―

「過去……か。
そうだよな。
卒業したら、もう二度とここには来ないかもしれないもんな」

「けど……それが当たり前になっていって。
あたし達にとってもいつか記憶の片隅にしか残らなくなるかもしれない」


大学に行って、就職して。

結婚して子供ができたら……きっと、高校時代のことを振り返ることなんて滅多にない。


「考えてみたらさ……高校生活なんて、長い人生の中でたった三年しかないんだもんな」

「短いよね、三年なんて。
本当……あっという間だよ」


ビックリするぐらい……すぐに過ぎていってしまう。


「もう少しゆっくりでもいいのにね……」


授業は長く感じるのに……

どうして三年は早く感じるんだろう。


「あ……大和が勝った」


コートの方を見ながら蓮ちゃんが呟いた。

本当だ……大和が勝ったみたい。

あ、でも花井君が大和に何か言ってる。


「……まだやるみたいだね」

「どんだけバスケ好きなんだよ……アイツら」


大和と花井君の二回戦が始まった。

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