青空バスケ―2nd―
「……岬だよ」
「え?」
「アイツ、バスケしてる時もいい顔してるけど……一番いい顔をしてるのは、岬といる時」
「あたしと……?」
蓮ちゃんは大きくゆっくり頷いた。
「大和にとっての原動力は岬。
岬がそばにいれば、多分アイツはどんなことでも乗り越えていけると思うよ。
それぐらい岬は大和にとって特別な存在なんだ」
……あたしは楽しそうに花井君とバスケをしてる大和を見た。
大和にとっての……特別……。
「……だから、俺は別に過去の人になってもいいと思う」
「え……?」
「青桜高校バスケ部の中では俺達はいつか過去の人になっても……そうやって大切に思ってくれる人がいれば。
自分がこのバスケ部で頑張ってたことを覚えてくれている人がいれば……それで十分だと思う」
……あたしが頑張ってたことを覚えてくれている人……か。
「大和が一番よく知ってるよ。
岬がどれだけ俺達のために頑張ってくれてたか。
何年か後、このバスケ部に俺達のことを知ってる人がいなくなっても……俺はちゃんと覚えてるよ。
大和と岬と一緒に同じ目標に向かって頑張ってたこと。
それは……一生忘れられないと思うから」
蓮ちゃん……。