青空バスケ―2nd―

「焦らなくても……まだいるよ」

「けど……いつかはいなくなっちゃうじゃないですか」


……そうだね。

この大会が終わるとあたし達はもういなくなっちゃうね……。


「仕方ないって分かってますよ。
先輩達と俺は学年違うし……。
……でも、俺……先輩達のこと大好きなんです」


……どうしようもない。

そんなことは分かってるけど……どうしようもないことほど、どうにかしたくなる。

何とかなってほしいと願う。


……分かるよ。

その気持ち。


「俺のこと一番可愛がってくれたの……高瀬先輩と鈴山先輩と岬先輩だから。
去年からずっと……」


花井君の目は本当に寂しそうだった。

さっきまで元気だった花井君とは全然違った……。


「……無理して笑顔作ってたんだね、さっき」

「試合が楽しみなのは本当ですよ。
……けど、笑ってないと本音が漏れそうだったから。
先輩達が一生懸命頑張ってるのに……こんなこと言えないじゃないですか」

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