青空バスケ―2nd―
いつも笑顔の花井君。
……けど、笑顔の裏でいろんなことを考えてたんだね。
ずっと……ずっと。
「そんな情けない顔しないの」
「岬先輩……」
「この大会が終わったら、花井君がみんなを引っ張っていくんだから。
一番上の先輩になるんだよ」
あたし達が鳴瀬先輩達から引き継いで、一番上として……先輩としてちゃんとできていたのかどうかは分からない。
でも………
……こうやってあたし達の引退を悲しんでくれる後輩がいるってことは、きっと間違ってなかったんだと思う。
「でも……今はあたし達の後輩だから。
だから……我慢しないでぶつけておいでよ。
今の自分の気持ち」
「でも、明日大事な試合なのに……」
「そんな気持ちのままで試合できるの?」
「それは……」
「大和、蓮ちゃん!
早く!!」
あたしは部室に向かって声をかけた。
「ちょっ……岬先輩!?」
「いいから、いいから」
焦る花井君。
そんな花井君をよそに、部室のドアがゆっくり開いた。