青空バスケ―2nd―
バスケ選手になって一生続けるとか、そういうことは思ってなかったよ。
大和にその気は一切なかっただろうから。
でも……せめて大学まではやると思ってた。
迷わずバスケ部に入るものだと思ってた……。
「そんなに驚かなくても。
ハル兄だってそうだったじゃん」
「そうだけど……」
ハル君もバスケは高校でやめた。
大学はずっとバイトをしてたらしい。
「別にハル兄の真似とかしてるわけじゃないから」
「……分かってるよ」
大和はちゃんと自分らしく人生を歩んでる。
……それぐらい分かってるよ。
「じゃあ……これが大和にとって本当の引退試合だね」
バスケをやめたら、趣味程度にすることはあっても……公式戦はない。
「……そうだな。
……だから、絶対負けらんねぇ」
やめないで、とかそういうことを言うつもりはない。
これは大和が決めたことだから。
あたしが口出しすることじゃない。
あたしが大和にかけてあげる言葉は……ただ一つ。
「……頑張ってね」