青空バスケ―2nd―

バスケ選手になって一生続けるとか、そういうことは思ってなかったよ。

大和にその気は一切なかっただろうから。


でも……せめて大学まではやると思ってた。

迷わずバスケ部に入るものだと思ってた……。


「そんなに驚かなくても。
ハル兄だってそうだったじゃん」

「そうだけど……」


ハル君もバスケは高校でやめた。

大学はずっとバイトをしてたらしい。


「別にハル兄の真似とかしてるわけじゃないから」

「……分かってるよ」


大和はちゃんと自分らしく人生を歩んでる。

……それぐらい分かってるよ。


「じゃあ……これが大和にとって本当の引退試合だね」


バスケをやめたら、趣味程度にすることはあっても……公式戦はない。


「……そうだな。
……だから、絶対負けらんねぇ」


やめないで、とかそういうことを言うつもりはない。

これは大和が決めたことだから。

あたしが口出しすることじゃない。


あたしが大和にかけてあげる言葉は……ただ一つ。


「……頑張ってね」


< 16 / 201 >

この作品をシェア

pagetop