青空バスケ―2nd―

ロッカールームで帰る準備をしてる時も、誰も一言も発さなかった。


全員の顔が暗かった。


物音だけが聞こえ、本当に静かだった。


だから……外の音がよく聞こえた。


「どうしたの……?」


外から栞奈の声が聞こえた。


「大丈夫……?
顔色悪いけど……」

「……大丈夫」


栞奈の声と……もう一人、男の声。


扉の近くで話してるんだろう。


声がよく聞こえる。


中にいた全員が扉の方に視線をやった。


監督の声じゃない。

そもそも監督にタメ口なんか使うはずがない。


じゃあ……誰だ?


「大和なら今中にいるけど……」


……俺?


全員が一斉に俺の方を見た。


様子を見て来い、と言わんばかりの視線を蓮が送ってくる。


……俺はゆっくりと扉を開けた。

すると、そこにいたのは……
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