青空バスケ―2nd―

思い出すのは中二のちょうどこの時期。

忘れもしない……決勝戦。


「ま、天気を気にしない大和が覚えてるわけないか。
ってか、誰も天気なんて覚えてるわけないよな。
……多分、あの日の天気を鮮明に覚えてるのは俺だけだよ」

「暁弥……」

「……忘れられないんだ。
あの日のことだけは……ずっと」


去年……真実を知った。

暁弥と先輩達が隠していた……全てを。


「ずっと……部屋の窓から外を見てた。
すごく晴れててさ。
雲一つない青空で、ベビーカーと一緒に散歩してる親子とかもいた。
……あの時、今世界で一番惨めなヤツは自分だって思った」


……俺は静かに暁弥の方を見た。

暁弥は……ずっと青空を見ていた。


「……楓先輩から何回も電話がかかってきた。
でも……出なかった。
出る気力すらなかった。
もう……絶望しかなかった」


暁弥……。

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