青空バスケ―2nd―
……二人の間に沈黙が流れる。
俺達のそばを通る人の話し声だけが聞こえてくる。
「……やめるってことか」
「俺……やりたいことができた」
「やりたいこと……?」
俺が聞くと、暁弥は力強く頷いた。
「……弁護士になろうと思ってる」
弁護士……。
「俺、親父が弁護士でさ。
ずっと親父の背中見てきて……親父が憧れだった。
小学生の時に親父が弁護してる裁判の傍聴に行ったことがあってな。
その時の親父がすげぇカッコ良くて。
俺もあんな風になりたいって……ずっと思ってた」
初めて聞いた……バスケ以外での暁弥のやりたいこと。
そんなこと考えてたなんて……初めて知った。
「将来は親父越え、みたいな。
独立して事務所設立できたらいいなって思ってる」
これが……暁弥の夢。