青空バスケ―2nd―
高三になったら考えなければいけない進路。
俺達のまだ見えぬ将来。
バスケしか考えてこなかった俺が……必死で考える未来。
「……なぁ、暁弥」
「何だよ」
俺が声をかけると、暁弥は返事をしながらこっちを向いた。
「……この大会終わったらさ、バスケやろう」
「は……?」
暁弥が不思議そうにこっちを見る。
俺は左手をポケットに突っ込んだまま、右腕を雲一つない青空へと伸ばした。
「この青空の下で……一緒に」
……気持ち良さそうじゃん。
こんな快晴の中でバスケができたら。
暁弥は小さく笑うと、立ち上がって俺と同じように空を見上げた。
「……いいな、それ」
「だろ?
快晴の日限定な」
今日みたいな青く澄み渡った日……。
その日に……バスケをやろう。
部活じゃなくて……ただの趣味として。
戦うバスケじゃなくて……楽しむバスケを。
「……楽しみだな」
青空に向かって……小さな声で呟いた。