青空バスケ―2nd―
会場を出て、学校までの道のりを栞奈と二人で歩く。
歩きながらふと疑問に思ったことを栞奈に尋ねた。
「栞奈」
「ん?」
「栞奈はさ……夢ってある?」
今までずっと一緒にいたけど、こうやって改めて聞いたことはなかった。
栞奈は俺の方を見てにっこり笑った。
「あるよ」
「え、何?」
「大和は?」
「え……俺?」
栞奈が興味津々そうに俺の方を見る。
「……まだない。
でも見つけたいと思ってる。
また……輝けるような夢」
そんなものに出会えたらいい。
バスケのように。
……栞奈はそんな俺を見て優しく微笑んだ。
「じゃあ、大和の夢が見つかったら教えてあげる。
あたしの夢」
「メッチャ気になるんだけど」
「まだ秘密だよ」
「……なら、俺が夢を見つけたら真っ先に栞奈に話さなきゃな」
それがどんな夢であっても……
どんな未来であっても
俺の隣には栞奈がいてほしい。
そんなことを思いながら、隣を歩いていた栞奈の手をそっと握った。