青空バスケ―2nd―

「高瀬は中山というライバルに出会って、成長してきたんだな」

「成長……ですか?」


監督はゆっくり頷いた。


「自分と同じような人間がいたら、負けたくないって思うだろ。
高瀬にとってそれは中山だった。
中山に負けたくない。
その気持ちが高瀬を大きく成長させたんだ」


……いつもいつも勝負してた。

体育館で、みんなが帰っても二人でずっと。

他の人が見たら、バカだって言うかもしれない。

でも……そうやって成長してきたんだね。

大和も……アキ君も。


……だから。

アキ君がやめていったあの日……大和は涙を流していたんだね。


一緒に切磋琢磨して成長してきたライバルが……突然いなくなったから。

アキ君が……裏切ったと思ったから。


でも……きっとアキ君だって泣いてたんじゃないかな。

誰にも見えない場所で……大和と同じように。


悔しくて……悔しくて。

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