青空バスケ―2nd―
だけど、暁弥が黙って見過ごすわけもなくすぐさま俺の後を追いかけてくる。
あとちょっとのところで暁弥が俺に追いつき、前に回りこむ。
「………………」
「………………」
お互いに黙ったまま相手の目を見る。
どちらも一歩も譲れない状況……。
……俺と暁弥の行動がチームの勝敗を左右する。
……このまま負けられるわけないだろ。
キャプテンとして……一人の男として。
この状況で暁弥を抜けるとは思わない。
パスをしようにも、みんなマークされていて動けない。
……時間だけがどんどん過ぎていく。
第4クォーター終了まで……あと10秒。
どうするかっていったら……もう一つしかないだろ。
俺はボールを持って構えた。
……このままシュートしてやる。
「……させるか!」
俺が跳んだのとほぼ同時に暁弥が跳ぶ。
……去年もあった同じような展開。
だけど……今年は俺が決める。
この手で……勝利を掴む。
俺の手から……ボールが放たれた。